
注文住宅で家づくりを検討する際、「耐震性能」を重視する人は多いでしょう。中でも最高ランクである耐震等級3は、地震に強い家として人気があります。
耐震等級3の住宅には、地震保険の割引や住宅ローンの金利優遇などのメリットがあります。しかし、その一方で注意しておきたいポイントもあります。ここでは、注文住宅で耐震等級3の家を建てる際の主な注意点について詳しく解説します。
目次
耐震等級3の住宅は建築費用が高くなりやすい
まず理解しておきたいのが、建築費用が高くなる可能性があるという点です。
耐震等級1の場合、2階建てまでの木造住宅であれば、注文住宅でも構造計算を行う義務はありません。そのため設計費用を抑えることができます。
しかし、耐震等級2や耐震等級3を取得する場合は構造計算が必要になります。構造計算とは、建物が地震や風などの外力に対して安全かどうかを専門的に計算するものです。
この構造計算には専門的な設計作業が必要になるため、一般的に20万〜30万円程度の費用が追加でかかるケースが多いです。
さらに、耐震性能を高めるために
- 耐力壁を増やす
- 梁や柱を強くする
- 接合金物を増やす
といった対策が必要になります。その結果、使用する建築資材が増えるため、住宅全体の建築費用も高くなる傾向があります。
設計から完成までの期間が長くなることがある
耐震等級3の住宅は、通常の注文住宅よりも完成までの期間が長くなる場合があります。
一般的な注文住宅では
- 設計期間:約6か月
- 建築工事:約6か月
というスケジュールになることが多いです。
しかし耐震等級3を取得する場合は
- 構造計算
- 設計調整
- 第三者機関の審査
などの工程が追加されます。そのため、全体で1〜2か月程度長くなる可能性があります。
スケジュールに余裕を持って家づくりを進めることが大切です。
第三者機関の評価を受ける必要がある
耐震等級3を正式に取得するためには、第三者評価機関による審査を受ける必要があります。
これは「住宅性能表示制度」などの評価機関が、設計図や構造計算の内容をチェックして耐震等級を認定する仕組みです。
この審査には
- 申請手続き
- 書類審査
- 必要に応じた確認
などがあり、時間と費用が追加でかかることがあります。
そのため、耐震等級3を希望する場合は、余裕を持ったスケジュールで計画することが重要です。
希望する間取りが実現できない可能性がある
耐震性能を高めるためには、建物の構造バランスが重要になります。そのため、希望する間取りがそのまま実現できないケースもあります。
例えば次のようなケースです。
- 大きなリビングを作りたい
- 壁を少なくして開放的な空間にしたい
- 大きな窓を設けたい
しかし耐震等級3を確保するためには、耐力壁をバランスよく配置する必要があります。
その結果、
- リビングの中央に壁が必要になる
- 窓のサイズを小さくする必要がある
- 開放的な間取りが難しくなる
といった設計変更が必要になる場合もあります。
予算によっては住宅の大きさを調整する必要がある
耐震等級を上げるほど、住宅の建築コストは上がる傾向があります。
もし住宅の総予算が決まっている場合、
- 耐震等級1なら50坪の家が建てられる
- 耐震等級3にすると40坪程度になる
といったように、家の大きさを調整する必要が出てくる可能性があります。
そのため、
- 耐震性能
- 住宅の広さ
- 住宅設備
などの優先順位を考えながら計画することが大切です。
耐震等級3を希望する場合は早めに伝える
もう一つ重要なポイントが、建築会社への事前相談です。
耐震等級3を取得する場合、設計の初期段階から構造を考える必要があります。そのため、
- 設計が進んでから
- 建築工事が始まってから
「やっぱり耐震等級3にしたい」と伝えても、対応が難しい場合が多いです。
耐震等級3の住宅を希望する場合は、家づくりをスタートする段階で設計事務所や建築会社に伝えることが重要です。
まとめ
注文住宅で耐震等級3の家を建てると、地震保険の割引や住宅ローン優遇などのメリットがあります。しかし、その一方で以下のような注意点もあります。
主な注意点
- 構造計算が必要で費用が増える
- 設計期間や建築期間が長くなる可能性がある
- 第三者機関の審査が必要になる
- 希望する間取りに制限が出る場合がある
- 予算によって住宅の大きさを調整する必要がある
耐震等級3は非常に高い耐震性能を持つ住宅ですが、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。家づくりを成功させるためにも、建築会社とよく相談しながら計画を進めるようにしましょう。